
近年、EQ(情動知性)と呼ばれる概念が話題にされるようになってきました。
EQとはいったいどのような概念なのか、またIQとの違いなどについて詳しく見ていきたいと思います。
EQ(情動知性)とは?
まずは、EQの定義から確認してみましょう。
EQ:情動指数。感情指数。実社会の人間関係の中で重要な一種の知性として、米国の心理学者ダニエル=ゴールマンは、「Emotional Intelligence」(邦訳「EQ・こころの知能指数」)の中で、自分の感情を認識し、自制する能力、他者を共感的に理解する能力などをあげている。(デジタル大辞泉より引用)
EQとは、こころの知能指数とも呼ばれるもので、感情という観点から仕事への取組みの度合いや人間関係への関心などを測定する指数です。
一般的に、社会的に成功する人やビジネスでうまくいくような人はこのEQの数値が高いといわれており、企業の採用時などで利用されます。
では、次にEQから分かることを5つご紹介したいと思います。
EQが示す5つの能力
EQは、5つの能力について指数化しています。
その5つの能力とは、
- 自己認識:自分の感情を認識する能力
- 自己統制:自分の感情や情動を統制する能力
- モチベーション:挫折や失敗の中で耐え抜く能力
- 共感:他人の感情を察することができる能力
- 社会的スキル:他人の感情に対処できる能力
の5つです。
自己認識とは、自分が今どのような感情を感じているのかを理解することです。自分にマイナスの感情が生まれたときに、自分が何に対してマイナスの感情を抱えているのか理解することは、とても大切なことです。
自己統制とは、イライラした時などに自分の感情をおさえることができる能力です。自分の感情をコントロールすることは社会で生きていくうえでとても大切な能力です。
モチベーションを保つことで、目標を達成するために自分をふるいたたせることができます。目標の達成力を高めることができ、非常に重要な能力です。
共感は、他人の感情を理解するもので、他者とのトラブルを回避するためにも大切な能力のひとつとなります。
社会的スキルとは、自分の感情も相手の感情も理解したうえで、どこが共通しているのか、どこが異なるのかを理解しながら物事を進めていく能力です。良好な人間関係を築くためにもなくてはならない能力です。
上記で示した5つの能力が高い人は、自分の感情をうまく表すことができ、感情をコントロールすることができるといわれています。また、他者の細かい感情の違いを理解し、読み取ることもできます。
さらに、これらの能力が高い人は、社会情緒が高い親に育てられる傾向が強いといわれています。
EQとIQはどう違う?
では、EQとIQはどのような点で異なるのでしょうか?

IQは「Intelligence Quotient」の略称であり、知能指数を表します。これは先天的に決まるものであり、情報を処理する能力が高かったり、論理的思考能力が高い、感情的にならず冷静に物事に対処できる、などと言った特徴をあげることができます。
一方、情動指数と呼ばれるEQは、ある程度後天的に決まるものと言われており、感情のコントロールや仕事へのモチベーションなど、人間の社会的活動に大きく影響を与えるものです。IQだけ高くても社会や人生において成功できるとは限らず、EQは、人生を豊かにするためにはIQ以上に重要な能力であるといえるでしょう。
また、IQ同様EQも測定することができます。質問に回答する方式や実際に被験者の行動を観察するものなど、いくつかの測定方法がありますが、EQ自体新しい考え方であるためにいまだ研究が行われており、最適な測定方法は確立されていないのが実情です。
EQを高める方法
先ほどEQは後天的に決まるものと言いました。すなわち、EQは鍛えることができるのです。ここでは、簡単にできるEQの高め方を4つご紹介します!
周りの人の感情を注意深く観察する癖をつける
友人や恋人、職場の仕事仲間などの感情を注意深く観察するような癖をつけてみてください。
周りの人の感情を観察することで、自分自身の感情も客観的にみることができるようになります。
これにより、自己統制力を高めることができます。
自分感情を示すタイミングを身につける
感情のぶつかりあいによる人間関係の悪化を避けるためにも、自分の感情を表現するタイミングについて考えることは大切です。
本当にいま怒っていい場面なのか、逆にいまは笑っていい場面なのか、相手の感情を考えながら判断する習慣をつけることで、EQを高めることができます。
言動から相手の感情を読み取る
相手の細かい言動から、相手の抱いている感情を読み取ろうとする習慣を身に着けてみてください!
そうすることで、相手の感情を理解する力をつけることができます。相手の感情を正しく理解してあげることで、相手との間で起こる摩擦を避けることもできます。
なるべくたくさんの感情を表現するコトバを身につける
相手の感情を理解することも大切ですが、その逆に自分の感情を正しく表現し、相手に理解してもらうこともとても大切です。
そのために、あなた自身の感情を表現するコトバをなるべくたくさん身につけてみましょう。
そうすることで、きっと今までよりも相手に自分の気持ちを理解してもらうことができるようになると思います。
まとめ:EQは社会で活躍するためになくてはならない能力!

人は社会に出ると、様々な人間とかかわりあいながら生活していきます。そんな中で、EQを高めておくことで様々なメリットが生まれることは理解できると思います。
また、IQの持つ情報処理能力などは今後AIが担うようになっていき、IQの重要性は下がっていくのではないでしょうか。そして、その分このEQが人間にとってますます重要になっていくことでしょう。
EQは後天的に鍛えることが可能です。今後のためにも、ぜひ当記事を参考にしてEQを鍛えてみてください!