
現代社会に生きる私たちは、普段から様々なストレスにさらされています。
皆さんの中にも、多くのストレスに悩まされている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、ストレスにどのように対処していけばいいのかについてお話していこうと思います。
ストレスコーピング
皆さんは、ストレスコーピング(stress coping)という言葉をご存じでしょうか。
これは、アメリカの心理学者ラザルスによって提唱されたストレス対処方法の考え方です。
ストレスの基(ストレッサー)にうまく対処しようとすることを、ストレスコーピングといいます。ストレッサーによって過剰なストレスが慢性的にかかると心身へのさまざまな悪影響が考えられるため、健康を維持するにはうまくストレスコーピングすることが必要になります。
厚生労働省 e-ヘルスネット
このストレスコーピングには主に4パターンあります。詳しくは後程取り上げます。
ストレスとは?
ストレスコーピングの提唱者ラザルスは、ストレスの発生にはストレッサー、認知、ストレス反応の3つの段階があると考えています。
ストレッサー
ストレスを発生させる原因のことです。ストレッサーについては様々な分類方法がありますが、ここでは代表的なものをご紹介します。
・物理的ストレッサー:気温、におい、騒音など
・化学的ストレッサー:薬物、公害など
・心理的、社会的ストレッサー:人間関係、仕事、勉強など
このようなものが原因となりストレスが発生してしまうのです。そもそもこのようなストレッサーを減らすことも、ストレスとの有効な付き合い方なのかもしれません。
認知(評価)
認知(評価)には、一次的評価と二次的評価があります。
一次的評価
そのストレッサーが、自分に有害か無害か判断するプロセスです。
一次的評価では、主観的な判断基準によってそのストレッサーが有害か無害か決まってきます。

たとえば暑さであっても、暑さが嫌いな人は有害と感じても、暑さが嫌いではない人にとっては無害であったりするのです。
香りであっても、ある人にはいい匂いなものでも、ある人には激臭であったりします。
その人の性格や判断基準によって、感じ方に大きく違いが生まれるのがこの一次的評価です。
二次的評価
そのストレッサーが有害だとわかった時に、それに対処できるか判断するプロセスです。
たとえば暑さであっても、確かに暑いけどこのくらい耐えられるよって人もいれば、もうダメだ~って人もいますよね。
これが二次的評価です。
ストレス耐性が強い人は、この段階で多くのストレスに対処できます。多くのストレッサーが自分にとって耐えがたいストレスだとは判断されないからです。
これらのプロセスでストレッサーに対処できないと、次のストレス反応へとつながっていきます。
ストレス反応
ストレスを評価したことで生じる身体的、心理的な反応です。
うつ病になってしまったり、頭が痛くなってしまったり、腹痛に襲われたり...などなど、様々な反応が起こります。
また、ストレス反応が行動にでてしまうこともあります。
たとえば、仕事や勉強がストレッサーとなっているときに、サボるという選択肢を取る人がいるでしょう。これも立派なストレス反応です。
4種類のストレスコーピング
上ではストレスの発生プロセスについてお話してきました。そして、それらのプロセスの中で対処法を探るのがストレスコーピングです。
どのような方法があるのか、順番に見ていきましょう。
問題焦点型コーピング
問題焦点型コーピングとは、ストレッサー自体を根本的に消滅させたり解決させることによってストレスに対処する方法です。
ストレス発生プロセスの第一段階、ストレッサーに関連したコーピングです。
暑ければ冷房を点ける
嫌いな人には近づかない

しかし、実際私たちが生きている社会では、逃れられないストレスもたくさんあります。
そのようなストレスについてはどうすればよいのでしょうか。
認知的再評価型コーピング
ストレッサーから逃れられないときにとる方法です。認知(評価)の段階に関連しています。
ストレッサーへの評価を変えることで、ストレスによる影響を軽減するのがこのコーピングです。
例
・嫌いな人に、プラスなところはないか探す、見つける
・仕事はゲームだと思って取り組む
気分転換型コーピング
これはいわゆるストレス解消法と言われるものですね。
自分の好きなことをしてリラックスすることでストレスを解消する方法です。
例
・ショッピングにいく
・運動をする
趣味や気分転換方法を持つことはとても大切です。ストレスと上手に付き合っていくためにも何かしらそういったものを持っておくようにしましょう。
情動焦点型コーピング
ストレスや不満を人に話すことでストレスを解消する方法です。
これもいわゆるストレス解消法にあたります。
上記の気分転換型コーピングが主に身体的なストレス軽減法なのに対して、こちらは精神的なストレス軽減法だと言えます。
例
・上司に悩みを打ち明ける
・恋人に相談する
まとめ
このように、ストレス解消法にはさまざまなものがあります。
仮にストレッサー自体を解決できない場合でも、ほかにもストレスを軽減する方法はたくさんあるので、自分なりのストレス解消法を見つけてみてください。