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【仮想通貨】ビットコインの未来は明るいか③~通貨の価値保存~

こんにちは。

第一回の記事で、ビットコインは供給量が有限のデフレ通貨であるということをお話ししました。ビットコインがなぜデフレ通貨と言えるのかということはそちらの記事をご覧ください。

さて、今回はデフレ通貨がもつ、価値保存機能というものについて詳しく説明していきたいと思います。ビットコインに価値保存機能があるかどうかはビットコインを語るうえでとても重要な要素となります。

なぜなら、もしビットコインが価値保存機能を持っているならば、金融政策によって実質的な価値が低下し続けているフィアット*から資産を移すことで資産価値の維持を図ることができるからです。以下ではこの点についても詳しく説明していきたいと思います。

フィアット(法定通貨)=基本的にその国の政府に認められた通貨のことで、納税に利用できる。その国の中では、額面で表示された価値での決済の最終手段として認められている。

https://bitbank.cc/glossary/fiat-currency

では、始めます。

価値の下落が止まらないフィアット

フィアットとは、簡単にいえば日本円やアメリカドルのような一般的にいう通貨だと考えて下されば大丈夫です。

第一回の記事でもご説明した通り、中央機関(ここでいう政府や中央銀行)の政策の影響を受けてしまう通貨のことです。

このフィアットですが、ここ何十年かの間で急速に価値が低下していることはご存じでしょうか。

下のグラフは、日本における消費者物価指数の推移を表すグラフです。ニクソンショック(1971年)によってフィアットのなかの基軸通貨である米ドルまでもが不換紙幣*となって以降、物価上昇のスピードがものすごいですね。

*不換紙幣:金や銀などと紐づけられていない紙幣のこと。その発行量は中央機関が自由にコントロール可能な一方、信用を生みにくい特徴がある。

出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構

物価が上昇しているということは、裏を返せば通貨自体の価値が下がっているということです。

ではなぜ不換紙幣はこのような物価上昇(インフレ)を招いてしまうのでしょうか。この話をするうえで欠かせないのが、信用創造の仕組みです。世界はこの信用創造によって発展を遂げてきました。次項ではこの信用創造の仕組みについてお話します。

信用創造とは

今の日本では、銀行にお金を預けている人が一斉に預金を引き出そうとしても、実際にはそれと同じだけの現金は銀行には存在しません。えっ、ってなりませんか?ぼくは最初聞いたとき驚きでした。ではそのお金はどこに存在しているのか。いや、この世のどこにも存在しないのです。これは信用創造によって起こります。

信用創造とは、銀行が資金の貸し付けを行うことで預金を創造することを言います。

次の例をご覧ください。

【例)S銀行に100億円の預金残高があった場合】
1. S銀行は1割(10億円)を銀行の金庫に保管して、残った90億円をA社に貸し出します。
2. A社は、借りた90億円をすぐには使わないので、S銀行のA社口座に預けます。
3. するとS銀行の預金額は、額面上 合計190億円(もともとあった100億円+A社からS社に預けられた90億円)ということになります。
4. S銀行は、A社から預けられた90億円のうち10億円を残して、80億円をB社に貸し出します。
5. B社も、借りた80億円をすぐには使わないので、S銀行のB社口座に預けます。
6. するとS銀行の預金額は、額面上 合計270億円(上記190億+B社からS社に預けられた80億円)になりました。

このように、貸し付けを行うことで世の中に流通させるお金の量を増やしていく仕組みが信用創造です。現在世界はこの信用創造によって多額の幻のお金が動いています。

経済の発展のためにはこの不換紙幣による信用創造の仕組みは不可欠です。金に紐づいた兌換紙幣だと金と同じ量の資金しか流通させることができず、経済規模も金と同じ分までに限られてしまうからです。

以前の記事でお金(フィアット)は中央銀行が作り出すと説明しましたが、それは実際にこの世に存在しているお金の場合です。幻のお金はこのように中央銀行ではなく民間銀行によって作り出されています。

通貨の信用

フィアットの信用

お金というものは、使う人たちの信用(価値が維持されるという保証)があってこそ成り立つものです。ただの紙に、みんなの信用が生まれることで価値を持つのです。

では、現在の通貨の信用はどこから生まれてくるのでしょうか。

昔の通貨の信用の担保は金(ゴールド)でした。金というものは大昔から財として認知されてきました。金には量に限りがあり希少性が高い点や、あの見た目が人を惹きつけたのではないでしょうか。

昔の通貨は兌換紙幣であったので、金に紐づけられて使われていました。そのため金の信用があったので希少性も担保されその価値を維持できるという健全な通貨の役割を持っていました。

希少性が高い通貨は、本当に必要な投資にしか利用されなくなるので(お金の量が少ないのでむやみやたらに浪費されることがなくなります)、健全な経済の発展につながります。

では、不換紙幣はどうでしょうか。不換紙幣は金などのモノには全く紐づいていません。では何に信用の担保が置かれているのか。それは政府、銀行などの中央機関です。金にはそもそも数に限りがあったのでそこで希少性が生まれ信用につながっていたわけですが、不換紙幣の場合中央機関がどれだけ紙幣を発行するかにすべてがかかっています。そのため、中央機関がお金をどんどん生み出してしまうとその価値はどんどん落ちて行ってしまうわけで、さきほど消費者物価指数で示したように実際に通貨価値の下落は起きています。

このように、現在日本円や米ドルをはじめとした不換紙幣は中央機関に信用(価値が維持される保証)の担保があるといいつつも事実上その価値は下落を続けているのです。

ビットコインの信用

では、ビットコインの信用はどのようにして担保されているのでしょうか。

ビットコインは発行上限と、その不変性に信用の担保があります。

ビットコインはその発行上限が2100万枚と定められています。さらに、ブロックチェーンの技術によってビットコイン自体に中央機関が介在しないので、その発行上限の上書きや価値の書き換えは実質不可能です。(非中央集権であるため、そのような場合にはすべてのビットコイン所有者の同意が必要となります、そういう意味で実質不可能ということです。)

さらに、ビットコインには、半減期というものが存在します。半減期(それに伴うビットコイン発行の仕組み)についての詳しいお話は長くなってしまうので別記事でご説明させていただきます。ここでは簡単に、ビットコインの供給量が段階的に減っていくと理解していただけたらなと思います。

つまり、時間が経てば経つほど手に入りにくくなっているのです。

これもビットコインの希少価値性につながっています。例えば現在およそ1800万枚のビットコインが世界に出回っていますが、この量では東京都民プラス千葉県民全員にすら一人1BTCも配れません。ビットコインとはそのくらい貴重なものなのです。

このようにビットコインはとても希少価値性が高く、それによって信用が担保されています。つまりフィアットと比べてその価値が維持される可能性があるということです。

まとめ

価値が下がり続けているフィアット対してビットコインは誕生した2009年以降全体的その価値は上昇していっています。2010年には5円ほどの価値しかもっていなかったビットコインも、現在では70万円ほどです。

現在コロナウイルスによる金融危機を背景に、ビットコインも一時的に価格の下落が起きています。下落の要因は、今までビットコインに投資していた投資家やヘッジファンドなどが目先の現金を必要としたからでしょう。(顧客への代金の支払いや、様々な経費支払いを捻出するため)

短期的には20万円前後まで下落する可能性があるとみていますが、その後は金融政策による恩恵を受けつつ上昇していくのではないかとみています。

次回は、ビットコインの発行の仕組みについてご説明していきます。

ではでは。

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