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自分に合った戦略を取ろう~制御適合のお話~

人は、自分にあった戦略を取ることで自身のパフォーマンスを高めることができます。

今回は、どのような人がどのような戦略をとって行動すべきなのかについて、お話していけたらなと思います。

人間を支配する二つの考え方

あなたは、自分がどのようなタイプの人間だと考えているでしょうか?

まず初めに、私たち人間を支配する二つの考え方から紹介していきたいと思います。

一つ目は、目標を理想としてとらえて、希望や進歩に重点を置くタイプの人間です。このようなタイプの考え方を、促進焦点と呼んだりします。リスクを冒してでもリワードを取りに行くような人です。

二つ目は、目標を義務としてとらえて、安全や責任に重点を置くタイプの人間です。このようなタイプの考え方を、防止焦点と呼んだりします。なるべくリスクを抑えるような安全志向型の人のことですね。

コロナウイルスで自粛が続いていると、思考がおのずと防止焦点寄りに傾きがちですね。

本来人間は促進焦点と防止焦点のどちらも有していますが、人によってどちらが優勢かは異なります。あなたはどちらでしょうか?

人が取り得る二つの戦略

そして、上記の二つの考え方のうちどちらが優勢かによって人は取るべき戦略が異なります。

その戦略も二つあり、

一つ目は熱望方略と呼ばれるものです。これは、肯定的な結果を見据えてリワードを最大化するような行為を実行に移す手段です。もう少しわかりやすく言えば、多少のリスクやコストは気にかけずに、迅速に判断を下して大胆に行動するような手段だと考えてくださるとわかりやすいかと思います。

二つ目は警戒方略と呼ばれるものです。これは、否定的な結果を見据えてコストを最小限に抑えようとするような手段です。損失の可能性がないかよく吟味してから判断を下し、実行に移します。

勉強を例にして説明します。

熱望方略とは、どんどん新しい知識を吸収しようとするような方法です。一冊の参考書を完璧にするよりも、次々と新しい参考書に手を出して新しい知識を身に着けようとする行動ですね。

一方警戒方略とは、一冊の参考書をとことんやりぬくような方法です。その参考書でバツがゼロになるまで決して次の参考書には手を出しません。

このように、大きく分けて二つのタイプの戦略があるのです。

焦点と方略をマッチさせる

今までに二つの考え方と二つの戦略についてお話してきました。

これらの考え方と戦略同士がうまくマッチすると人は自分の取っている行動は正しいのだと感じ、行動自体の価値が高まり、結果として高いパフォーマンスを実現することができます。

このような現象を制御適合と呼びます。制御適合は、促進焦点と熱望方略、防止焦点と警戒方略同士がマッチすることで発生するのです。

Higginsによれば、制御適合の効果についてはすでに多くの研究で証明されているといいます。

みなさんも、自分に合った行動を選択してみてください。

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